スキがない総長の大胆な溺愛
「蒼羽、ダメ…!」



生きなきゃダメだよ、死んじゃダメ。

いなくなるなんて許さない。

絶対に――



「蒼羽、やめて蒼羽ぁぁ…っ!!」

「さっき警察に連絡したから、もうそろそろ来るはずだ…!ひとまず俺たちは逃げるぞ!」



「いや、離して!蒼羽の元に行かせて!」

「明里!!」



私を宥めようとする優利。

だけど…肩に置かれた彼の手が震えている事に気づいてしまった。



「俺だって離れたくない。けど…それがアイツが戦ってる理由なら、叶えてやるべきだろ…!」

「でも…、ッ」



それでもなお抵抗する私に、優利は声を低くした。

そして静かな怒号を、私の全身に轟(とどろ)かせる。



「明里。お前が戻っても、夜野は絶対に喜ばない…!」
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