スキがない総長の大胆な溺愛
「私と一緒…」
「そう言えばそうだったね」
この家に来る前に「同居するなら家から荷物を持って来ないとね」という事になった。
律儀に住所を書いた生徒手帳を、律儀に持ち歩いていて助かった。
「(にしても、持って来すぎちゃったかなぁ…?)」
アパートから持ってきた荷物が重たくて抱えていると、「大変そうだね」と呑気な夜野くん。
女の子が持つには大きくて重たい荷物を持つ私に、彼は「代わりに持つよ」とは言わなかった。
「(まぁ、それが普通だよね。変に優しくても怖いし)」
そうこうしている内に、夜野くんが部屋の中に入ったので私も続く。
「どうぞ」
「お、お邪魔します…」
部屋の中を見てビックリした。
だって、必要な家具以外は何も置かれてないんだもん…。