スキがない総長の大胆な溺愛
「! ――いいよ」



それは、初めて見る笑顔で…。

春風さんの周りに、一気に春が訪れたようだった。

さっきまで凍てつく寒さのように思えたのに、まるで春風さんが…名前の通りに春の風を連れて来たみたいに…暖かい。

温もりに包まれているみたいに安心してしまった。



「…………」

「どうしたの?」



「あ!いや、その…すみません、春風さんに…すごく安心して……」

「安心?」

「はい…」



そして一瞬、考えてしまった。

いつか春風さんと会った時…蒼羽も、こんな風に安心したのかなって。



「蒼羽は…昔、春風さんと何があったか話してくれません。だけど…春風さんには特別な思いがあるんじゃないかって…そう思うんです」

「特別な思い、ねぇ」




「春風さんと蒼羽は…何だか似てるんです。顔が綺麗な所とか、恐怖なオーラとか」
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