スキがない総長の大胆な溺愛
「夜野はあの子が好きなのか?」

「……これだから一輝は」



春風さんが「はぁ」とため息をつく。

マフラーの人は「なんだよ」とジト目で春風さんを見た。



「男が命を懸けて守りたい女=好きな子に決まってる」

「それはお前の根性論だろ?」

「一般論だ」



言い切った春風さんは「それよりも」と。

顔に少しの笑みを浮かべた。



「夜野に”一匹狼の勲章”は、もういらないな」

「と言うと?」

「俺らの仲間が増えるって事だ」



その時、廃墟の前で綺麗に並ぶ、「月光」メンバーが見える。

彼らの前に二人が到着すると、みんな一斉に口を開いた。
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