スキがない総長の大胆な溺愛
「総長~銀狼の奴ら縛っておきました~」
「久しぶりのケンカが一瞬で終わった…」
「あー!また腕がなまっちまうー!!」



マフラーの人が「だ、そうだぞ」と春風さんを見る。

だけど総長である春風さんは、ニッと笑うだけだった。

そして…



「皆にいいニュースを二つ持ってきた」



その内容に「月光」の人達は…

割れんばかりの歓声を上げるのだった。







一方の私は。



「蒼羽!」



廃墟の中央で転がる蒼羽の元へ、急いで駆け寄る。

近づけば近づくほど蒼羽の状態が悪いような気がして…。

「本当に大丈夫なの?」という恐怖から、体のあちこちが震え始める。



「蒼羽、蒼羽ぁ…起きて…っ」



生吹さんは「大丈夫」と言ったけど…。

顔や体から血を流す蒼羽を見て、とても元気には思えない。

それにお腹からの出血も止まっていないのか、さっき見た時よりも「赤」が大きく広がっている。



「蒼羽…っ」

< 201 / 235 >

この作品をシェア

pagetop