スキがない総長の大胆な溺愛
「俺が怪我してるって言うのに…明里は…」

「え?」



ボソボソ喋る声が聞こえなくて、思わず聞き返す。

蒼羽をチラリと見上げると、その顔は赤く染まっていた。

いつか見た夕日みたいに…真っ赤だった。



「ずっと春風と話してさ…。明里は俺が心配じゃないの…?」

「っ!」



「俺の方なんて見向きもしなかったのは…アイツがカッコイイから…?」

「ちょ、え…蒼羽、あの、」



もしかしてだけど…拗ねてる?

怪我をしてる蒼羽をさしおいて、ずっと春風さんと話をしていたから?

俺を一番に見てよって…そう言ってるの…?



「ごめん蒼羽…寂しかったんだね…?」
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