スキがない総長の大胆な溺愛
「…その言い方は腹立つからやめて」

「え……」



随分…扱いが難しい怪我人だ…。

匙(さじ)加減を間違えないように、慎重に行動しよう…。



ますは、蒼羽の頭に手を伸ばす。

そして…



「ご、ごめんね…?」

「……」



ヨシヨシと、撫でてみた。



「……」

「蒼羽…?」

「やっぱり泳がされてるのは、俺のほうじゃん…っ」



私をギュムっと自分に押し付けながら、蒼羽は悔しそうに言った。


泳がす――


その言葉に、自分がまだ蒼羽に謝っていない事を思い出す。


騙してごめんね、と。

嘘をついてごめんね、を。

蒼羽に言わないと――



「ねぇ蒼羽…聞いて」
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