スキがない総長の大胆な溺愛
「(確かに、私は何も知らない)」



でも、今まで固くなに自分の気持ちみせなかった蒼羽が…今こんなに素直に喋っている。

それだけで、蒼羽の気持ちは大げさなんじゃなく本音なんだって…そう確信できた。



「私、少しでも蒼羽を救えた…?」

「少しどころじゃないよ。たくさん…うん。本当に、たくさんなんだ」

「そっか…」



笑った私の目から、また涙が落ちる。

それは蒼羽の服を濡らして、濡らして……。

いつまでも止まらない涙を見て、蒼羽は眉間にシワを寄せた。



「俺がさっき”晴れが好き”って言ったのに…明里の雨、止まないね」

「…うん、なんでだろうね」



へへ、と笑う私に、蒼羽もつられて笑った。

そして「狐の嫁入りって知ってる?」と唐突に私に尋ねる。



「狐の嫁入り…?知らない、なに?」
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