スキがない総長の大胆な溺愛
「晴れて日が出ているのに雨が降ることだよ。笑ってるのに涙が流れる…まさに今の明里だね」

「(狐の嫁入り…)」



なぜだか、すごく綺麗な言葉だと思った。

それは言葉の意味がしっくり来たっていうのもあるけど…

蒼羽と一緒に新しい事を見つけたこの瞬間が、かけがえのない宝物に思えたから。




「(私…幸せだ)」



そう思っていた時。

蒼羽が突然、尋ねて来た。

本当に突然、



「そう言えばさっき、俺の事好きって言ったけど…あれは本当なの?」

「……」



ほじくり返してほしくないところを、ショベルカーみたいな重機で、蒼羽は見事に掘り返してくれた。



「わ、私…そんな事を……言ったかな?」
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