スキがない総長の大胆な溺愛
蒼羽が銀狼に囲まれた、あの時…。


この世の終わりに思えた。絶望を経験した。

心臓が嫌な音でドクドクうるさくて、体からはじけて飛び出しそうだった。

蒼羽がいないと、私はこんなに弱い人間だって…初めて知った。



「蒼羽、私ね…」



あなたがいなかったら…私は輝けない。

あなたという夜があって、私は初めて自分が光れる事を知るの。



「私が蒼羽を照らしたいと思った。そして蒼羽には…ずっと笑っていてほしいって…そう思ったの」



だからね、



「いつも笑顔で、ずっと私の隣にいて…蒼羽」

「…………」

「蒼羽…?」



私の言葉に、蒼羽は黙ったままだった。

不思議に思って見上げると…


ぱしっ


私の顔面に、大きな手が乗る。



「あ……蒼羽…?」
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