スキがない総長の大胆な溺愛
「今度こそ?」
「俺のアパートに来た時は…荷物を持ってあげられなかったから」
言われてみれば…そうだったかも。
――アパートから持ってきた荷物が重たくて抱えていると、「大変そうだね」と呑気な夜野くん
――女の子が持つには大きくて重たい荷物を持つ私に、彼は「代わりに持つよ」とは言わなかった
「あの時、前日にお腹を刺された時で…普通に痛かった」
「(普通に痛かった)」
率直な意見に、クスリと笑みが零れる。
そう。あの日から蒼羽は、こうやってちょくちょくと自分の気持ちを話してくれるようになった。
それが嬉しくて…思わず蒼羽の手を握る。
ぎゅっ
「! どうしたの?」
「ううん。幸せだなって思ったの」
「…そう。………じゃなくて、」
そうだね。幸せだね
そう言って、笑う蒼羽の顔が柔らかい。
春風さんが美月さんを見て笑う、あの時と同じ顔。
「そう言えば…美月さんにお守りをまだ返せてなかった」
「俺のアパートに来た時は…荷物を持ってあげられなかったから」
言われてみれば…そうだったかも。
――アパートから持ってきた荷物が重たくて抱えていると、「大変そうだね」と呑気な夜野くん
――女の子が持つには大きくて重たい荷物を持つ私に、彼は「代わりに持つよ」とは言わなかった
「あの時、前日にお腹を刺された時で…普通に痛かった」
「(普通に痛かった)」
率直な意見に、クスリと笑みが零れる。
そう。あの日から蒼羽は、こうやってちょくちょくと自分の気持ちを話してくれるようになった。
それが嬉しくて…思わず蒼羽の手を握る。
ぎゅっ
「! どうしたの?」
「ううん。幸せだなって思ったの」
「…そう。………じゃなくて、」
そうだね。幸せだね
そう言って、笑う蒼羽の顔が柔らかい。
春風さんが美月さんを見て笑う、あの時と同じ顔。
「そう言えば…美月さんにお守りをまだ返せてなかった」