スキがない総長の大胆な溺愛
「お兄さん…見つかりそう?」



「これから探すよ。時間はかかるだろうけど、必ず見つける 」

「そっか」



私が笑うと、優利も笑った。

優しい笑顔…だけど、次の瞬間には眉を下げて、私に謝って来た。



「あと、あの時はごめん」

「あの時?」

「夜野と一緒に住んでる事…怒っただろ。明里は俺を思ってしてくれた事だったのに」



しゅんとする優利。

だけど…あの時怒ってくれたのは、優利の優しさだって知ってる。

それに、無謀な事をした私が悪い。

「私の方こそごめんなさい」と頭を下げる。



「あの時は私も怒りで我を忘れてたっていうか…。好きな人が傷つけられたのが、許せなかったの。フラれるまで、私はずっと優利が好きだったからさ」

「っ!」



告白を聞いて、優利は目を開く。

そして口がピクピクと震えた後…優利は、グッと真一文字に口を閉じた。



「優利…?」

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