スキがない総長の大胆な溺愛


「え…ちょ、え…?」

「――」



夜野くんは何も喋らない。

お風呂上りにすぐ倒れたのか、髪がまだ濡れてる。


温かいシャワーにあたったのなら、顔が火照っていてもいいのに…顔色は真っ青。

手だって、握るとビックリするほど冷たい。



「どういう事…?え、なに…」



何が、どうなっているの…?



「あの、大丈夫…?」

「――」

「ねえ、ちょっと…!」



目を瞑って顔が白いなんて…こんなに生きてる感じがしないものなの…?

怖くて、手がカタカタ震えて…。

ただ夜野くんを見ることしか出来ない。



「そ、そうだ…救急車!」



そうして119を押そうとした、その時。



ガシッ



「…ダメだよ」
< 26 / 235 >

この作品をシェア

pagetop