スキがない総長の大胆な溺愛
「え…ちょ、え…?」
「――」
夜野くんは何も喋らない。
お風呂上りにすぐ倒れたのか、髪がまだ濡れてる。
温かいシャワーにあたったのなら、顔が火照っていてもいいのに…顔色は真っ青。
手だって、握るとビックリするほど冷たい。
「どういう事…?え、なに…」
何が、どうなっているの…?
「あの、大丈夫…?」
「――」
「ねえ、ちょっと…!」
目を瞑って顔が白いなんて…こんなに生きてる感じがしないものなの…?
怖くて、手がカタカタ震えて…。
ただ夜野くんを見ることしか出来ない。
「そ、そうだ…救急車!」
そうして119を押そうとした、その時。
ガシッ
「…ダメだよ」