スキがない総長の大胆な溺愛

「わ!え、あ……起きた…?」



夜野くんは、薄茶色のビー玉のような瞳を私に見せて…。

そして、また瞑った。

その時に、お腹に手を当てて「ふぅ」と浅く息を吐く。



「今…気を失ってたよね…?」

「起きてた」

「うそ…」



目を瞑った今の顔は、痛みを我慢しているように見える。

実際、夜野くんの額に、汗がにじみ出ている。これは…きっと冷や汗。



「お腹が痛いの…?」

「…そうでもないよ」

「ご、誤魔化さないで…っ」



顔を近づけると、夜野くんは少しだけ目を開ける。

そして浅く息をした後に「はぁ」とため息をついた。



「敬語じゃないね」

「話をはぐらかさないで…」



怒った声の私に、夜野くんは変わらず笑みを浮かべるだけ。

そして…



「…いいね。うん。むしろ、タメ語の方が良い」
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