スキがない総長の大胆な溺愛
そんな…すごくどうでもいい事を喋っている。
「真面目に質問に答えてよ…っ」
「真面目に話してるよ」
笑いながら、夜野くんはゆっくりと体を起こす。
そして、お腹に手をあてながら、何をするかと言うと…
ビックリすることに、アウターを持って玄関の扉に手をかけた。
ガチャ
「え?ちょ、どこに行くの?」
「病院。行ってくるね」
「そんな急に…あ、私も一緒に、!」
そう言った瞬間。
え?――と驚いて、自分の口を塞ぐ。
だって…夜野くんの病院に私がついて行くなんて。
優利の敵である彼に「心配だから」ついていくなんて…
そんなの、
「(変だよね…?)」
「……」
急に黙った私に、夜野くんは「ありがと」と私の頭に手を置いた。
「バイクで行ってくる。日向さんは、ここで待っててね」
「え、その状態でバイクって、」
「大丈夫だから」
そして夜野くんは出て行った。
すぐに下からバイクの音が響き、本当に彼が家を留守にしたのだと知る。