スキがない総長の大胆な溺愛
「ずいぶん威勢のイイ女だな」
「ほっとけ。総長の元に到着した時に疲れて大人しくなっててくれりゃ、それに越したことはねぇ」
「確かに。じゃあしっかり暴れてくれよ、」
夜野蒼羽の彼女さん――
屈辱的な言葉を聞きながら、それでも車は止まることなく進む。
そして、しばらく走った後。
大きな広場に、私は連れてこられた。
――それと時を同じくして。
夜野くんが、アパートの部屋に戻る。
「……」
私の姿がないことや、部屋の鍵が開きっぱなしだった事から…ある予想をする。
そして、
「へぇ。やってくれるね」
不敵な笑みを浮かべて、ペロリと舌なめずりした。
もちろん渦中の私は、彼がそんな事をしたなんて知る由もなく……
現在、
二十人くらいいるだろう男の人に、囲まれている。