スキがない総長の大胆な溺愛
「なぁ女、夜野蒼羽ってどんなヤツだよ?」
「って、嵐太(あらた)さん。そんな事はとっくの昔に知ってるじゃないですか~」
「(こ、怖い…っ)」
広場についてから…少し。
私は車から降ろされて、たくさんの人数に囲まれていた。
「(誰、この人たち…っ。
それに、ここはどこ?)」
広場と言っても、誰かがゆったり散歩するような、子供が走り回るような…そんな穏やかな広場じゃない。
広場の淵に沿うように雑草が生い茂り、中にいる私たちを外から見えないように隠している。
地面を見ても、サイズの違う石が無造作に転がっている。
それらから簡単に分かる。
この広場が、危険だという事を。
「(冷たい…寒い…っ)」
生い茂る草が、太陽の光までも遮断している。
夜野くんを追って急いで部屋を出たから、アウターは持って来なかったし。
制服だけで三月の外に放り出されるのは…寒すぎた。
早くお開きにならないかと、一抹の望みをかけて口を開く。
「あの…私は、どうして…ここに……」