スキがない総長の大胆な溺愛

「そーだよ。恨んでんだ、アイツを。

復讐したいが、なかなかその機会がなくてな」



「それで…私を…？」

「そーだよ。女っ気のなかったアイツが、お前と一緒にいると部下から連絡あってな。

ここに連れてこいと言ったのは俺だ」



「ひ、」



卑怯な人…！

正々堂々と勝負出来ないからって、私を囮に使って、こんな場所に夜野くんを呼び出して…！



怒りが沸々と湧き出て、嵐太と言う人を睨む。



「あ、あの人なら…来ません…っ」

「…あぁ？」

「さっきも言いましたが…私は夜野くんの彼女じゃないですから…！」



そう。彼女じゃない。

私はただ、夜野くんに拾われただけ。

ただ一緒に住むことになった、クラスメイト。



「だから…待ってても、無駄です…っ」

「……」



嵐太は、笑っていた顔をピタリとやめて、私を見た。

そして「はぁ」とため息をついて、



「まさか最強の暴走族【月光】が、こんなミスするなんてなぁ」



そう言った。