スキがない総長の大胆な溺愛
「っ!」
その真っすぐなビー玉のような目に…私の復讐を悟られたんじゃないかと、心臓が跳ねる。
『優利を襲ったから、夜野くんに復讐をする』
私が今しているのは、目の前の夜野くんと一緒のことだ。
その通り。
一致してる。
けど…だけど、
「この人は…もう蹴っちゃダメ…っ」
血だらけの嵐太を見て、震えあがる。
これ以上痛めつけてしまうと、本当に死んじゃうんじゃないかって。
だから何としてでも止めようと、腕だけじゃなく、夜野くんの体にギュッと抱き着く。
すると彼は諦めたように、肩を落として笑った。
「……大したもんだね」
そう言うと、サッと足をのけて、嵐太から引く。
そして去り際に、一言だけ残した。
「今度この子に手を出して見ろ。次はお前の心臓を止める」