スキがない総長の大胆な溺愛
「からかわないで…っ」



蒼羽も冗談を言うのか…なんて思いながら、包帯をとる。

包帯をとればとるほど…滲み出る血の量が多くなっていった。



「どうして…こんな無茶したの…?」

「無茶?」

「私のために、あんな大人数に立ち向かって…」



言うと、蒼羽は「あぁ。そのこと」と軽い返事。



「お礼だよ」

「お礼…?」

「そう」



言いながら、私の頭に手を置いて…一回、二回。優しくなでた。



「明里のいない部屋を見た時…やっぱり出て行ったか、って思った」

「や、やっぱりって…」

「俺が強引に連れて来たからね。内心嫌がってるかなって思ってたんだ」

< 47 / 235 >

この作品をシェア

pagetop