スキがない総長の大胆な溺愛
「(もし誰かが故意に優利を刃物で傷つけたのなら…絶対に許せない。仕返ししてやるって、思っちゃうかも)」
ギリッと下唇を強く噛み締めていると、医者とおばさんの話が終わり、各々が解散の流れになる。
「私は警察の人に呼ばれてるから行くわね。明里ちゃん、怪我をした優利を見つけてくれて本当にありがとう」
「ううん…おばさんも、あまり落ち込まないで。私、毎日お見舞い来るから」
「そう…ありがとう。心強いわ」
おばさんは元気のない笑みを浮かべて、この場を後にした。
そして私も、優利の病室へ向かうため、足を進める。
「(寝てるかな?それとも、起きてるかな?)」
そんな予想をしながら、優利のいる個室を目指した。
だけど、私は知らなかった。
まさか、その場所で。
耳を疑うような、とんでもない事実を聞く事になるなんて――
ガラッ
「優利…寝てる」
優利は白いベッドの上で、青と緑のストライプの患者衣を着せられて、横になっていた。
点滴がついていて、優利の太くて逞しい腕から管が伸びてる。