スキがない総長の大胆な溺愛
二人の距離
次の日。
自分の部屋で目が覚める。
自分の部屋といっても、蒼羽のアパートだけど。
「なんか…体が……」
ボーッとする頭に、開けられない目。
そうか、きっと寝不足なんだ。
「…起きよう。今日こそはちゃんと学校に行かなきゃ」
部屋を出ると、蒼羽は既に朝ごはんを食べていた。
朝ごはん…といっても、栄養補充食品のお菓子っぽいもの。
その最後の一口を口に放り込んだ時、リビングに来た私に気づいた蒼羽はニコリと笑みを浮かべる。
「おはよう、明里。よく眠れた?」
「蒼羽…おはよう。眠れたよ…」
「…明里?」
ゆっくり、のんびりした口調で返す私を不思議に思ったのか、蒼羽は首を傾げる。
そして、ずっと立ったままの私の元へやって来た。
「なんか顔が赤い?それに、ボーっとしてるような…」