スキがない総長の大胆な溺愛
「あ…ごめん…うん、病院に行ってくるね」



物思いに耽っていた私を、蒼羽がジッと見ていた。

かと思えば、私の部屋から服を持ってきて「これに着替えて靴はいて」と促す。



「着替えたら玄関に集合。俺も行くから待ってて」

「え」

「しんどいだろうけど、バイクならすぐ病院に着くよ」



だからバイクには乗っていかないって――

と反論する暇もなく、蒼羽は自分の部屋に戻る。



「ご、強引な人…」



フラフラしながら着替えを始める。

そして有無を言わさない蒼羽の圧に負け、私は靴を履いた。









ブロロ…キキッ



「はい、着いたよ」

「えと、ここって…」



バイクが止まった場所。

それは…優利が入院している病院だった。



「さっきURLでくれた病院とは違う気が…」
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