スキがない総長の大胆な溺愛
「(優利のいる病院に私を連れて来ておきながら…。
どういう気持ちで、私を迎えに来てくれたんだろう)」
私が「迎えに来て」ってメールを送らなかったら、蒼羽はどんな顔をするんだろう。
私が病院を出て二度と帰ってこなかったら、蒼羽はどう思うんだろう。
「(いや…やっぱり、どうも思わないか)」
所詮、最初から無理があった同居だし。
訳の分からないまま始まった関係だもん。
「(きっと蒼羽は、私がいなくなっても何も思わないんだろうな)」
そう思いながら、蒼羽の元へ歩く。
そして「一緒に帰ろう」と言うと…
「…いいんだね?」
蒼羽が、ギュッと私を抱きしめた。
力強く、だけど苦しくない程度の力で。
「いいも何も…今は蒼羽のアパートが私の帰る家だもん」