スキがない総長の大胆な溺愛
「スー、スー…」
優利に近づくと、規則的な呼吸音が聞こえた。
「(優利、よかった)」
朝とは違い、顔色も良くなってる。
ホッと安心した、その時だった。
「うっ……、」
「優利…?」
顔を歪めて、唇をかみしめて…優利は唸っていた。
「や、めろ…っ」
「優利…」
やめろって…刃物で襲われた時の事を思い出してるの?
じゃあやっぱり優利は…
「(誰かに襲われたんだ…っ)」
そう思うと、途端に悔しくなって。
また、下唇をギリッと噛んでしまう。
だけど、優利の次の言葉で…
頭に隕石が落ちるくらいの衝撃を受け、下唇を噛むことをやめてしまう。