スキがない総長の大胆な溺愛

バイクに跨る直前に、蒼羽の背後に回る。

すると蒼羽は、以前のようなビクつきは無かったものの…彼の周りの空気が、ピリッと張りつめたのが分かった。



「(階段を上がる時も、私を前に歩かせたし…。

もしかして蒼羽は、自分の後ろに誰かがいるのが嫌いなのかな?)」



私にしては、鋭く冴えた頭で考える。

だけどバイクのエンジンがかかり、アクセルが踏まれたその瞬間に…

グンッと勢いよく前進し、私の考えも重力も…何もかも病院に取り残される。



「(バイクに何回か乗ったけど、このスピードにまだ慣れない…っ)」



完璧に風邪をこじらせた私はしんどくなって、バイクが走行中ずっと蒼羽に抱き着いていた。

だけど、体はこんなに密着しているのに…二人の関係はまだまだ遠く思える。

こんな状態で、
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