スキがない総長の大胆な溺愛

「(本当に復讐なんて出来るのかな…)」



弱った体には、弱った思考がつきものとは知りつつも…

見切り発車で「記憶喪失のフリ」を始めた自分を少し恨めしく思う。



「(蒼羽の目には、どんな風に私が移ってるんだろう…)」



優利の復讐相手の蒼羽に、一向に近づいている気がしないまま。

複雑な感情が混ざり合うアパートへ、二人揃って戻って来た。









「明里、ゼリーいる?」

「…うん。ほしいかも」



「じゃあ、アーンしてみようか」

「……」



現在、バイクで帰って来てからしばらく経った私の部屋。

蒼羽は大量の一口ゼリーを持ってきて、私の部屋を訪れていた。



「一口ゼリーなら…一人で食べられるよ…?」

「遠慮しないで」
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