スキがない総長の大胆な溺愛
「無縁って…でも蒼羽は【白狼】の総長でしょ?総長と同居してる時点で、暴走族とは無縁じゃないよ」

「……」



正論を言われ、蒼羽は黙る。

かと思えば「俺は別だよ」と顔を逸らした。

卑怯な逃げ方だなぁと思いつつ「そう言えば」と、白狼の事について聞く。



「昨日私を助けてくれた時に、どうして白狼の仲間と一緒に来なかったの?」

「仲間?」

「白狼の仲間だよ。一人だけで乗り込むなんて無謀すぎ…お腹も怪我してるんだし」



蒼羽は目だけをチラリと私に寄こした。

そして短い返事で私を言いくるめる。

もうこの話は終わり――と。

そう言わんばかりに。



「…一人でなんとかなると思ったんだよ。なったでしょ?実際」

「そりゃ、そうだけど…」



だけど、せっかく仲間がいるのに、その仲間と行動を共にしないなんて…。

やっぱり蒼羽は変わってる。



「俺の事はいいから…とにかく。暴走族の事には口を挟まないこと」
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