スキがない総長の大胆な溺愛
「…分かった」



大人しくいう事を聞く…フリをして、内心「ネットで検索しまくろう」と思っていた。

だけど余裕ある表情が滲み出ていたのか、蒼羽に釘を打たれる。



「毎朝、明里のスマホの検索履歴を確認しようか?いくら履歴を削除してても、復元くらいお手の物だけど?」

「⁉」



心の中の声をズバリ当てられてしまって、苦笑を浮かべて口を閉じる。

だけど…

私が暴走族の事をどうして知りたいか聞いてほしくて…

意を決して、広場であった事を話してみた。



「嵐太って人…いたでしょ?あの人が言ってたの」



――まさか最強の暴走族【月光】が、こんなミスするなんてなぁ



自分の暴走族の名前が「月光」だと。

そして「月光」の総長は、自分だと。



「でも【月光】の総長の名前…違うよね?さっき思い出したんだけど」



そこまで言うと、今まで口を閉ざしていた蒼羽が、重たそうに口を開く。



「暴走族【月光】の総長は、春風生吹。高三だよ」
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