スキがない総長の大胆な溺愛
「なんとか上手な言い訳を考えておかないとなぁ…」
ふぅ、と思わず出るため息。
身から出た錆とは言え…優利になんて言おうか。
「じゃなくて!見逃さないように、きちんと見ないと」
無意識のうちに地面を見ていた。危ない危ない。
慌てて周りに視線を移す。
キョロキョロと。
私がしているのは、人探し。
「あの美月さんって人…お見舞いっぽかった。だとすれば、また病院に来るかも」
どうしても美月さんに会いたい。
いや、会わなきゃいけないんだ。
――あ、生吹(いぶき)くん?美月だよ。
――今、純弥先輩のいる病院に着いたの。帰る時は電話するね
「あの会話からして、美月さんは春風生吹の彼女だよね?」