スキがない総長の大胆な溺愛


「(私…きっと、まだ熱が下がってなかったんだね…。だからこんな幻をみちゃうんだ…)」



でも。

ここで、ふと。

ある事を思いつく。



「そう言えば…春風さんは白狼についてご存じですか?」

「白狼?もちろん知っている」



「もちろん」なんだ。



「やっぱり…凶悪な噂で有名なんですか?」



「もちろん知ってる」って事は、白狼が悪目立ちしてるって事でしょ?

白狼=凶悪って事なんでしょ?

って事は…やっぱり優利を襲ったのは白狼。

そして優利を傷つけたのは、総長である蒼羽。



そう思っていたのに――



「どうして暴走族の名前が白狼になったか知ってるか?」

「いえ…」

「色白の総長が一匹狼で暴走族をやってる。だから白狼」



え?

一匹狼?



「え、ちょっと待ってください…じゃあ、白狼って…」

「総長である夜野。それが白狼の、ただ一人のメンバーだ」

「!?」



瞬間、頭が真っ白になった。

え、ちょっと待って…。
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