スキがない総長の大胆な溺愛
だって、じゃあ…優利を襲ったのは…?
蒼羽が単独でやったって事?
「(何のために…!?)」
青い顔をして黙った私を見て、春風さんは「どうした?」と一歩私に近づいた。
だけど、その時――
「明里!!」
大きな声で、私の名前が呼ばれる。
色白の一匹狼によって。
「明里!大丈夫!?」
「あ、蒼羽…?」
蒼羽は私と春風さんの間に入る。
そして、なんと…
春風さんから私を守るように、私を隠すように。
私の視界が広い背中しか映らないほど、蒼羽は私の近くに立った。
そしていつもより声のトーンを落として、春風さんと対峙(たいじ)する。
「明里に…何かした?」
「何も。むしろ、何かされそうになったのはこっちだ」
「明里…本当?」