スキがない総長の大胆な溺愛
プライド*蒼羽*
*蒼羽*
昔の話をしよう。
昔、この辺りでは「大狼(だいろう)」という暴走族がいた。
顔が広く、そして権力があった。
周りの暴走族はこぞって頭を下げて傘下(さんか)に入り、「大狼」はどんどん大きくなっていった。
「大狼」の総長は、嵐太。
そして右腕は、俺こと夜野蒼羽。
だけど、どんどん大きくなっていったのは「大狼」という組織だけではなかった。
俺はケンカがメキメキ強くなり、渡世術もそこそこあったからか、いつの日か嵐太よりも仲間に信頼されるようになっていた。
『嵐太さんもカッコイイんすけど…こう、ちょっとおっかねーっていうか』
『仲間にも容赦ねぇもんなぁ…』