スキがない総長の大胆な溺愛
『っ!!』



もちろん口論になった。



俺が突っかかっていくのを、春風は腕一本でかわしていく。

いつまで経っても倒せない。

だから、俺が折れるしかなかった。



『…そうだよ。俺は…やってないよ』

『だ、そうですよ。防犯カメラを拡大できますか?興味深い物が写っていると思うんで』



そして防犯カメラで無事に俺の無実が証明され、お開きになった。

嵐太が新たに尋問を…となる予定だったが、警察からいつも逃げているらしい。



『散々だったな』

『…何で助けたの。俺なんか救っても何のメリットもないよね?』

『ないな』



ふっと笑った春風が、本当に春の風を連れて来たみたいで…。

なんでかな。春風の周りは、どこか温かそうなんだ。



『後輩は、大人しく先輩に助けられてればいいんだ』

『学校違うけど…』
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