ひだまりで誓う桜色の愛
恥ずかしい話、少し期待していた。


行きつけのお店を紹介してくれたり、ほんの数分しか会えないのに時間を作ってくれたり。

今日だって、用事を済ませた後、一緒に帰るためだけにわざわざ戻ってきてくれる。

親切心だとしても、好きじゃなきゃここまでしないはず。


しかし……冷静に考えてみたら、好きには2つの種類があると気づいた。

ラブとライク。
私は前者だけど、彼は後者だったのだ。



「1ヶ月かぁ、もどかしい。だから渡す時、少しぎこちなかったんですね」

「うん。って、それも見てたの⁉」

「はい。いつも完璧な先輩にしては珍しいなと思って」



てへへと笑う光里ちゃん。

褒め言葉をもらったのに、今は嬉しさよりも恥ずかしさが大きい。


先輩なのに情けなさすぎる……。

もう、いい加減慣れようよ私。このままじゃ他の人にバレるのも時間の問題だって。
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