ひだまりで誓う桜色の愛
大切にしたい。誰にも渡したくない。


一緒に過ごすにつれて想いが膨らんでいき……覚悟を決めた俺は、体育祭が終わった後に告白した。


今まで1度も甘い雰囲気にならなかったから振られると思っていたのだけど、なんとあっちも密かに俺のことを想っていて。

二つ返事でオッケーをもらい、付き合い始めた。


その日から世界が輝いて見えた。


たまに手を繋いで帰っては、別れ際に抱きしめ合って。

誕生日にはケーキ、バレンタインデーとホワイトデーにはお菓子を食べて。

ハロウィンシーズンは仮装、クリスマスの日はプレゼント交換をして楽しんだ。


高校で離れ離れになっても毎月デートしようね。
大人になったら車の免許取って旅行しようね。

気の早い約束を交わしては笑い合った。


憂鬱だった朝が待ち遠しいと思えるほど、毎日心が弾んでいて。2人で過ごす時間が何よりの幸せだった。


ずっとこのまま、穏やかで幸せな日々が続きますようにと願っていた。


だが──交わした約束は1つも果たされることなく、俺達の関係は突然終わりを迎えた。
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