ひだまりで誓う桜色の愛
「……秘密にしてね?」

「わかりました。先輩の恋心、しっかり守りますね!」



小指を絡ませて指切りげんまん。


2月は短い。3月なんてあっという間。
そう言い聞かせても、やっぱりもどかしい。


だけど、裏を返せば、それだけ真剣に向き合ってくれているということ。


ここで急かしたら、中途半端な結果になるかもしれない。

今は気持ちを整理しているんだなと考えよう。


約束を交わしたところでふと時計を見ると、とっくに5時を過ぎていた。

しまった。おしゃべりに夢中になりすぎた。

更衣室を後にし、慌ててタイムカードを押す。



「あ、桜月先輩、光里ちゃん、お疲れ様でーす」



すると、裏口のドアが開いて、カフェの制服を着た男の子が入ってきた。



「お疲れ達希(たつき)くん。今から後半戦?」

「はい。また戦場に行ってきますっ」

「あははっ、やる気まんまんだ。私の分まで戦ってきてね!」

「おぅ。任せといて!」
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