ひだまりで誓う桜色の愛
今思うと、もう少し話を聞いておくべきだった。


だけど、デリケートな問題だったために、なかなか踏み込めず。

本人も、『酷い時は病院に行くから大丈夫』と言っていたので、彼女の言葉を信じて見守ることにしたんだ。



「……で、その次が、急展開になるんだけど……いい?」

「うん。大丈夫だよ」



車に乗り込み、1回深呼吸を挟んで話を再開させた。


次の異変に気づいたのは、1月から2月にかけて行われた修学旅行。

2日目の夜、旅館の売店でお土産を買っていた時、偶然陽菜と鉢合わせて……。



『消灯時間が過ぎたら……こっそり2人で会わない?』



上目遣いで見つめられながら手を握られた。



「それって……もしかして、そういう、お誘い……?」

「……多分。指絡ませてきたから」



正直、めちゃくちゃ戸惑った。

付き合っていれば、いつか深い関係になる日が来るだろうと予想はしていたが、まだまだ先だと思っていたから。
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