ひだまりで誓う桜色の愛
「その、あとは……どうなったの……?」

「放課後、2年生だけ緊急招集がかかって、体育館に集まったんだ」



その日は修了式の日で、午前中で学校が終わる予定だったのだが、お昼過ぎまで延長に。

新淵に手を握ってもらいながら体育館へ移動し、学年主任の先生と生徒指導の先生から詳細を聞いた。


調べたところ、部屋のクローゼットから、血痕のついた制服のシャツと靴下が。

学校のロッカーからは、画鋲が仕込まれたスリッパと、切り刻まれた教科書とノートが見つかったのだと。



「陰で、いじめられてたんだ」

「それで、自ら命を……?」

「……うん」



スマホには、主犯格の女子と思われるクラスメイトとやり取りしていたデータが残されていた。

内容は、人格否定がほとんど。時折金銭をせびるものもあったのだが……。



「俺と別れろって、何度も言われてたみたいで」



ハンドルを握りしめて、込み上がってきた感情を抑える。


亡くなる前日にもやり取りしていたらしく、そこには──。



『沢村くんはみんなのもの。早く別れろ』

『さもないと、お前の写真をネットにばらまいてやる』
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