ひだまりで誓う桜色の愛
親指を立ててグッドポーズをした彼は、1学年下のバイト仲間、達希くん。

彼も先月入ったばかりで、光里ちゃんとは学校のクラスメイトなんだそう。



「そうだ、先輩、お客さん来てますよ」



スマホを開こうとしたら、嬉しい情報が舞い込んできた。



「どこに?」

「すぐ横の駐車場です。戻る時に『千早 桜月はいませんか?』って聞かれて。茶髪のスラッとした男子高校生でしたよ」



親切に特徴を教える達希くんだけど、最後の1つが引っかかった。

高校生……? 大学生じゃなくて?



「彼氏さんですか?」

「いや……知り合いだと思う。私彼氏いないし。ありがとう。じゃあまたね」



尋ねたい気持ちを抑えて退勤。外に出ると、ひんやりした風が吹いた。


ううっ、寒っ。確か今日は夕方から曇りなんだっけ。寒い中待たせちゃったな。

と思ったけど……沢村くん、いなくない?

とりあえず連絡が来てないかを……いやまずは男子高校生の確認を先にしよう。
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