ひだまりで誓う桜色の愛
病院に着いた後、すぐ分娩室に連れて行かれて、1日近く時間をかけて産んだという。
ちなみに月は、『病院に行く時によく見かけていたから』とのこと。父いわく、見守っているように感じたのだそうだ。
「見た人を虜にする桜と、見守る月か。名前の通りだね」
「えええ? そうかなぁ?」
「そのまんまじゃん。陽菜も真夏斗も夏芽も、千早さんの走る姿に惚れてたし。俺が泣いてた時も寄り添ってくれてたじゃん。素敵な名前だと思うよ」
横を向いた彼と視線がぶつかり、ドキンと心臓が音を立てる。
漢字と響きは気に入っている反面、口頭だと100パーセントの確率で5月生まれだと思われることが多かった。
自己紹介すると、『ややこしいなぁ〜』と冗談っぽく笑う声がよく返ってきていたから、直球で褒めてもらえたのは久しぶりで……。
「ありがとう……」
「ふふふ。耳真っ赤になってるよ」
指で耳の縁をちょんちょんといじられた。
あぁ、またいたずらっ子みたいに笑って。
そりゃあ、今まで何回かスキンシップはあったよ?
抱きしめてもらったり、手握ってくれたり、ほっぺた突っつかれたり。私も1時間前は背中擦ってあげたし。
ちなみに月は、『病院に行く時によく見かけていたから』とのこと。父いわく、見守っているように感じたのだそうだ。
「見た人を虜にする桜と、見守る月か。名前の通りだね」
「えええ? そうかなぁ?」
「そのまんまじゃん。陽菜も真夏斗も夏芽も、千早さんの走る姿に惚れてたし。俺が泣いてた時も寄り添ってくれてたじゃん。素敵な名前だと思うよ」
横を向いた彼と視線がぶつかり、ドキンと心臓が音を立てる。
漢字と響きは気に入っている反面、口頭だと100パーセントの確率で5月生まれだと思われることが多かった。
自己紹介すると、『ややこしいなぁ〜』と冗談っぽく笑う声がよく返ってきていたから、直球で褒めてもらえたのは久しぶりで……。
「ありがとう……」
「ふふふ。耳真っ赤になってるよ」
指で耳の縁をちょんちょんといじられた。
あぁ、またいたずらっ子みたいに笑って。
そりゃあ、今まで何回かスキンシップはあったよ?
抱きしめてもらったり、手握ってくれたり、ほっぺた突っつかれたり。私も1時間前は背中擦ってあげたし。