ひだまりで誓う桜色の愛
私も最初、こんな紳士的な人がいるんだなぁって感激したっけ。

30個下の私に対しても腰が低いけれど、治療歴はかれこれ1年半。

敬語だけだと堅苦しいだろうからと、タメ語を交えて話してくれるんだ。



「まだ不安定な部分はあるけど、生活に支障が出てないなら大丈夫そうかな。他の面はどうですか? 寝つけないとか、食欲が出ないとかはない?」

「はい。今月からバイトを増やしたので、食事も睡眠も普段より多めに取ってます。最近は7時間は寝るようにしていて──……」



具体的な数字を出しつつ簡潔に話す。


やっぱりホッとするなぁ。

年上の人が特別好みってわけじゃないのに、先生と話していると、なぜか不思議と緊張が緩む。


多分、好きな人と雰囲気が似てるからかな。
考えてたらなんだか恋しくなってきちゃった。



「答えてくれてありがとう。だいぶ慣れてきたみたいですし、来月から薬を減らしてみましょうか」

「本当ですか⁉」



思わず大声が出てしまった。

いけない、ここ病院だった。
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