ひだまりで誓う桜色の愛
呼び出されないよう、対策は済んでいる様子。

「良かったぁ〜!」と大げさに喜んでにやけ顔を隠した。


診察内容を振り返りながらバス停へ向かう。



「へぇ、2つも減らすのか。思いきったなぁ。今いくつ飲んでるんだっけ?」

「3つ。1ヶ月かけて減らす計画なんだって」

「そっか。もし副作用が出たら教えてね」

「まさか言いつける気?」

「当たり前じゃん。大切な友達を苦しませたくないよ」



実は沢村くん、曾祖父の代から続く医者の家系で育ったお坊っちゃま。

今日私を診察してくれた担当医の先生も、沢村くんのお父さんなんだ。


他にも、伯母さんや叔父さんをはじめ、お祖父さんの兄弟、その子孫も医者なのだそう。

噂によれば、病院のほとんどの科に親戚がいるとかいないとか……。


さらに。



「俺に話しにくいなら、お母さんでもいいからね」

「ありがとう。お仕事の邪魔にならない程度に相談するね」
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