ひだまりで誓う桜色の愛
フォローを入れたものの、次の発車は13時。1時間近く待たなければいけない。

バス停で待つのは退屈なので、近くの公園で時間を潰すことにした。



「おっ、咲いてる!」



スマホ画面に梅の木を映し、シャッターボタンを押しまくる。


鮮やかな赤、可愛い印象のピンク、爽やかな白。

品種が違うからか、咲き具合はバラバラだけど、圧倒的な存在感を放っている。



「綺麗だね。ミツバチもメジロも喜んでる」

「メジロ? どこ?」

「あそこ。左側のちょっと枝が飛び出てるところ」

「あっ、本当だ!」



発見した瞬間、カメラをズームして1枚撮影。少し画質は落ちたが、姿を写真に収めることができた。

丸々してて可愛い。来月に入ったらウグイスも来るかな。



「撮れた? 俺にも見せて」



1人でニヤニヤしていると、沢村くんがスマホを覗き込んできた。



「わぁすごい。バッチリ写ってるじゃん」

「拡大したから画質悪くなっちゃったけどね」

「それでも充分だよ。梅の花といい、風情があっていいね」
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