ひだまりで誓う桜色の愛
ソープの香りがふわっと舞って、再び胸が高鳴る。


平日は学校で勉強し、休日はバイトに励む。

私と似た暮らしをしているけれど、そこはお坊っちゃま。


先生みたいに砕けた話し方をしつつも、立ち居振る舞いは上品で。

その上顔もスタイルもいいから、ただ立っているだけでも目を引く。

彼が言うには、幼い頃から厳しい教育を受けてきたのだそう。


しかし……。



「そんなに気に入ったなら、後で送ろうか?」

「いいの? ありがとう!」



私といる時は、こんなふうにくしゃっと笑ったり、はしゃぐ姿を見せている。


品行方正、優等生、王子様。
本来はこういった高貴な肩書きが似合う人。

だけど、表情があどけないせいか、あまり近寄りがたさを感じないんだよね。高嶺の花だなぁって思ったのも最初だけだし。


上品さもあり、親しみやすさもある。

この絶妙なラインが、彼が注目を集める要因なのかも。
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