ひだまりで誓う桜色の愛
カップに蓋をしていると、後輩の女の子が恐る恐る声をかけてきた。


彼女はバイト仲間の光里ちゃん。
1学年下の高校生で、先月入ったばかりの新人さん。



「あ、まだやったことなかったっけ? これは、ココア?」

「はい。ミルクを豆乳に変更したんですけど、種類が多くてどれからかけたほうがいいか……」



徐々に声がしぼんでいく。


基本的なドリンクの作り方は教えているものの、まだ研修中の身。不安に思うのも当然。

店長に言われた通り、ここはレクチャーしたいところだけど……。



「豆乳ね。了解。とりあえず今日は私がやるから、光里ちゃんはホットキャラメルラテを作ってくれる? サイズはSでお願い」

「はいっ」



外にも中にも行列ができていたため、今回は私が作ることに。

カップを渡し、代わりに、ココアとお客さんから預かったメモをもらって作業を再開する。


えーと、ホイップクリームとチョコソース、チョコチップは多めで、はちみつは少なめか。
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