ひだまりで誓う桜色の愛
とはいえ、今のところ、バイトが終わる夜も雨の予報。

朝の分は早速外れてしまっているものの、不安がないとは言いきれない。

もしどしゃ降りだったら、仕事が早く終わるであろうお父さんに迎えを頼もう。


水の音で雨音をかき消しながら顔を洗った。



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──



「150円のお返しです。ありがとうございました」



本屋さんのレジで会計を済ませ、会釈してその場を後にする。


やっと、やっと買えた……!

欲しくて欲しくてたまらなかった、ファッション雑誌。……の中の、付録。


普段この系統の雑誌は買わないんだけど、先月、デート服の参考にと立ち読みしていたら、次号予告のページで偶然見つけて。

白地に桜柄のポーチ。手のひらサイズで、化粧品を入れるにはもってこいの大きさ。


発売日とバイトの日が同じだったから、出勤前に買いに行くって決めてたんだよね。帰ったら早速使おうっと。
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