ひだまりで誓う桜色の愛
道なりに歩いていると、スイーツショップのショーケースを眺める男の人が目についた。

八頭身の高身長に、赤みがかった茶色の髪の毛。



「……沢村、くん?」

「おおっ! 千早さん!」



見慣れた後ろ姿に恐る恐る声をかけてみたら、やっぱり沢村くんだった。



「また会ったね。買い物してたの?」

「うん。雨降ってたから、ついさっき避難しに来たところ」



どんよりと沈んでいた心に一筋の光が射す。


これまでバッタリ遭遇することは何度もあった。けど、場所は全部病院。街中では初めて。

数時間前の不機嫌な自分に教えてあげたい。
この雨は沢村くんと出会うまでの伏線だったんだよって。

お天道さま、嬉しいサプライズをありがとうございます……!



「沢村くんも買い物? それともおつかい?」

「買い物。ホワイトデーのお返しに何がいいか見てて」

「今日から3月だもんね。何があるん……」
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