ひだまりで誓う桜色の愛
平然を装ってお礼を言うと、「良かった」と小さく安堵する声が聞こえた。


視界いっぱいに映るくらい顔を近づけても、全く動じない沢村くん。

対して、目を合わせただけでも赤面する私。

まるで恋愛マスターと恋愛初心者。


お互い異性の兄弟持ちというのに、天と地の差すぎる……。



「確かに買い物とは言ったけど、必ずしもここで買うわけじゃないから気にしないで」

「そ、そう? 邪魔じゃない?」

「全然。むしろ一緒にいてほしい」



サラリと言ってのけた彼に思わず目を丸くした。



「同性の意見が知りたくてさ。予定あるなら仕方ないけど……」

「大丈夫! 昼からバイトだけど、まだ時間あるから」



一瞬舞い上がったが、現実に引き戻された。


だよね。せっかく会えたのに、挨拶だけでバイバイは寂しいよね。

まだ返事もらってないのに、なに浮かれてんだか。


気を取り直して、お返し選びの相談に付き合うことに。
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