ひだまりで誓う桜色の愛
「千早さんはそういうのない? あったらいつでも相手するよ?」

「ありがとう。今のところはないから大丈夫。甘い物が苦手なら、このコーヒー味のクッキーとかどう?」



センチメンタルな気分に浸ったところで話を戻し、お菓子選びを再開した。



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地下街にある菓子店を数軒回り、1時間が経過。

正午を過ぎたので、コンビニで昼食を購入し、広場に向かった。

ベンチに座り、鮭のおにぎりにかじりつく。



「付き合ってもらったのに、結局何も買わなくてごめん」

「いいよそんな! 私も色んなお菓子見れて楽しかったし」



口元を隠して、隣で眉尻を下げる彼に笑いかける。


桜の形をしたクッキー、桜味のバウムクーヘン、桜餡を詰め込んだお饅頭。

どのお店も春らしく、桜にちなんだお菓子が売っていて、見るだけでも楽しかった。


全部美味しそうだったけど、気に入ったのはクッキーかな。色もピンクで、細かい模様も入ってて、1番桜感が強かったから。

お給料もらったら、自分への誕生日プレゼントに買うのもいいかも。
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